朝日誤報の本質

嘘つきは泥棒の始まりと言う諺がある。嘘が高じると人様の物に手を出すようになると言う先人の戒めなのだが、朝日新聞を筆頭に毎日新聞、NHKなどこれらを絵に描いたような報道が日頃から指摘されている。今回東日本大震災から3年6か月が過ぎた9月11日19時30分それまで口を閉ざしていた朝日新聞社の木村社長が突如自社が掲載した原発慰安婦に関する誤報及び池田彰氏コラム掲載記事拒否の3点について謝罪の会見を行った。

 原発に関しては5月20日付け同紙朝刊に福島第1原発「所長命令に違反原発撤退」と掲載したが多くの東電社員がその場から逃げだしたかの印象を与える間違った記事だと判断しこれを取り消すとし、慰安婦に関しては8月5日付け朝刊に従軍慰安婦問題を報じた記事の一部に誤りがあったので検証記事を掲載したが謝罪の言葉がないと批判を受け訂正に遅きに失したことを読者にお詫びすると言うものであった。

 しかし、原発撤退にしろ慰安婦狩りを行ったと言う故吉田清治の証言にしろ真っ赤なウソに他ならないし、池上氏のコラム掲載を一時拒否した問題については言論の自由の封殺という思いもよらぬ批判を受け読者の信頼を損なう結果になったと言うが、要は自社説に反する内容の記事を載せるのは適切ではないと同社が一時的にしろ判断したからではないか。物は言い様嘘も方便だと言い抜けしようとしているところに姑息ささを感じる。

昨年暮れ12月12日付産経新聞に「メデイアのあおりと恣意性」と言う阿比留瑠比記者の記事が掲載されている。

その中で外務省幹部の言として、朝日新聞は戦前あれだけ戦争をけしかけ、戦後は講和条約日米安保自衛隊の海外派遣に反対した、今回の特定秘密保護法も含めて一連の報道のあり方に「異常で理不尽だと」指摘していると述べている。

更に、特定秘密保護法では行政が恣意的に特定秘密を指定できるのは問題だと言いながら河野談話の根拠となった韓国の元慰安婦と称する人々の聞き取り調査結果が特定秘密にあたらないのに「不開示」とされていることには反応しないのはそれこそ報道の恣意性ではないかと指摘する。

BSフジ「プライムニュース」9月11日でジャーナリストの門田隆将氏は朝日新聞社に対し過去に吉田証言によるとする記事に誤りがあると指摘したところ法的措置も辞さないと文書でつい最近も回答してきたのにと首をかしげている。

また、評論家の青山繁晴氏は朝日新聞社が吉田調書を政府が公開に踏み切る直前に隠し切れないと判断して自社防衛のため自白した。1982年9月2日から故吉田清治の証言の嘘報道、30年以上も悪意がなければ放置するわけがない、検証記事はすり替えに失敗したのに備えているに過ぎないと述べている。

他方、9月12日テレビ朝日の「モーニングバード」で池上氏は社内の自浄作用が働きコラム再掲載となった、朝日一社をパッシングするべきではないと述べ、吉永みち子は読み解く過程で何を伝えるべきか不明確なまま記事にした、慰安婦についても信憑性を検証するべきだったがそこが甘かった、それらがなぜ生まれたか検証するべきと述べた。飯田泰之は吉田調書はねつ造だと言う声もある中、同社側がどういった経緯で生まれたか説明する必要がある、人間だから間違いもある、当時頭から東電を叩けばよいそれが逆に朝日を叩けばよいとなるのはどちらも誤りだと述べている。

9月14日TBSサンデーモーニング」において寺島実朗は当時の福島第1原発の現場はまともだったのかは別問題誤報なら謝ればよい、誤報にならない誤報もある9.11イラク戦争支持したメデイアが検証報道もせずにいるではないか。

岸井成格は、記者の思い込みは同業者としてある、専門性を持った記者ほど強い、検証するべきことは多い、ただ事件でもあり今後記者の委縮が気掛かりだと述べた。

比較的朝日に近い立場と目されるメデイアや出てくるコメンテータは総じて朝日の誤報に理解を示し擁護するように見受けられた。

今後検証を進める外部委員の顔ぶれを見ると概ね朝日ご用達のメンバーであり恐らく同様の見解を示すであろうことは予想に難くない。

だが、snsによると朝日新聞の本社には中国共産党国務院直属の通信社「新華社」があり、逆に朝日新聞社の中国総局は中国の新華社の中にあり、同国機関紙「人民日報」と提携を結んでいる。朝日新聞WEBサイトでは「人民日報」の記事を常時掲載し、人民日報には常時朝日新聞の記事が掲載されている。

こうなってくると単に誤報記事がごく限られた範囲で派生したなどと物事を矮小化し或いは単なる錯誤によるなどとはおよそ考えられない。

第3者委員会がいずれ何らかの検証結果を出すであろうが、事は外患誘致まで足を踏み入れないとこの問題は納得できようはずもない。

 ともすると、朝日新聞社へのパッシングは控えるべきだと言う声が出がちであるが、日本を貶め外国に与する悪の芽を摘み取っておかないと将来に禍根を残すことになると私は考えるのだが。                          長尾識